この6速クロスミッションのメインシャフトおよびカウンターシャフトは、F1やMotoGPなど数多くのレーシングマシンでも使用されているインボリュートスプラインを採用しています。従来の角スプラインに比べ、ピッチ精度が高くスライド性が向上し、クロスレシオ化された6速をよりスムーズできめの細かい変速を可能にしました。

また、各ギアにはレーシングマシンでは必須となっているドックをスクエアー状、ストレート逆テーパ加工を施し、ギアの抜け等が起こりにくくなるように対策しています。従来品(ノーマル)などのラウンド形状ではギア抜けが起こりやすく、耐久性も今回のドック・ダボ形状がベストといえます。 材質は鋼材の中でも高価とされるニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM420)を採用。最新のマシニングセンター等の機械加工にて精度の追求を図っております。最新の技術を組み込み、6速化されたZを体感して下さい。

Z系のエンジンをチューニングしていくと、トップギアがショートすぎてエンジンが思った以上に早く吹けきってしまうと感じる傾向があります。改善策として、J系のミッションのドラムやギアを加工して装着するという方法もありますが、焼入れ後の再加工はあまりお勧めできません。また、J系のミッションでも1速と2速のギア比が離れており、ベストな状態に改善したいと考えておりました。そこで、当社ではJ系のミッションをベースに独自の5速クロスミッションを開発。各ギアの変速比も見直し、5速だと感じやすい早すぎる吹け切り感も解消。同時にZエンジンがもつパワーを有効に活用できるようオリジナルのクロスレシオを採用し、日常域でのスポーティな走行を追求しています。ギヤ抜けを防ぐためにドッグの当たり面を斜めに加工するアンダーカットも施しております。